★今回はLaid Back LEG-HLのレビュー記事です。
ヘッドレスギターが欲しい
Strandberg*買おうね
とてもお試しできる価格じゃないんです…
エレキギター界の中でも異質なヘッドレスギターという存在。
人間工学的に優れたデザインで、数々の利点は噂されるもののマイナーな存在。
国内で販売されているメーカー品は安いものでもミドルクラスの価格(10万くらいから)と、とても気軽にお試しできるものではありません。
そのため、中国直販の怪しい安ヘッドレスギターを個人輸入する猛者も出てくる始末…
近年は怪しい、通称中華バーグなども駆逐されつつありますが。
しかし!我らが島村楽器さんが!
まさかのエントリー価格でヘッドレスギターを発売しました!
丁度手頃なヘッドレスギターを探していた私は発表から数日後、速攻で注文してしまいました。
期待の島村ンドバーグ、その実力は如何に…?
Laid Back LEG-HLとは
外観について


無駄な装飾は特にありません。とてもシンプルです。
ピックガード付きのモデルとかあっても良かったかも。


ボディにもヘッド部にもロゴがないと思ったらネックサイドにありました。
薄くもなく、太くもなく。丁度手持ちのSCHECTER ST4と同じようなネックでした。
普通のFenderストラトっぽい感じです。


ヘッドの形状は6弦側が出っ張っており、Polytune等のクリップチューナーが挟めるサイズになっています。
ヘッドレスはたまにクリップチューナーが使用できないものがあるので、これは嬉しいポイントですね。
メイドイン中華!!


個人的にヒールカットを施したネックのジョイント部では、ネックの平らな部分が過度に露出しているのは好みではありませんので、少し気になるポイントでした。
よく見ると平らな部分にヤスリがけした後の傷残ってるし…。
カッタウェイ部は仕上げの雑さが如実に表れる部分で、特に安ギターは塗装や表面処理が雑だったりするもの多いのですが、LEG-HLは塗りつぶし塗装のため目立ちません。
塗りつぶしの下、丁寧な処理してたらゴメンナサイですが、正直この時点でそんなに丁寧な仕事はしていないだろうと思いました。
ボディのサイズもさることながら、ミディアムスケールを採用しているため非常にコンパクトなギターです。この取り回しの良さは大きな利点です。
ちなみにこの個体は3.1kgでした。
あの!島村さん!?公称約2.4kgじゃないんですか!?
いやまぁ、軽いけどさ…手持ちのLegator Ghostの方が軽いぞ…


地味に0フレット。そして異様に仕上げのよいフレット端。
最近調べていたEART GUITARというメーカーのフレット仕上げに似ていて(このメーカー、フレットの仕上げをウリにしているそうです)非常に手触りがよいです。
丁度EART GUITARもヘッドレスが終売なんですが…もしかしてOEM…?まさかね…
エンジニアリングウッド指板は結構見た目がよいですね。気に入ったかもしれません。
一体成型のロックナット部。
おいこらネジ錆びとるやんけ。島村ァ!
弦の先端を通してネジで弦を押さえつけてロックするタイプです。
恐らくネジを強く締めてもネックが割れる事故はないでしょう。
ただ、このロックナットの構造はネジを強く締めすぎると弦をねじ切ってしまう危険があり、Strandberg*ではネジと弦の間に小さな金属のプレートを挟み込む形で解消しています。
気合入れてエリクサーでも張ってねじ切ってしまったら洒落になりません。
えっ、嘘、ネジに挟み込む金属プレートないの…?初期Strandberg*じゃないか…


割と良く見かける中華ブリッジタイプ。
チューニング用の可動部を回すと、画像の通り一緒に内部金色の筒状パーツも回転して弦の張力が変わってしまい、チューニングしづらいです。
強めにチューニングした時に音がズレない事を祈りたいです。
数時間弾いた感じでは今のところズレてはいないですが…
所有している中華バーグも全く同じ症状があるので、中華ヘッドレス独立型ブリッジの構造共通の問題なのかもしれませんね。
ところで、何故か1弦のブリッジめっちゃ錆びてるんですけど。島村ァ!!
内部金色の筒状パーツについているネジは一体何のためにあるんでしょうか?
ブリッジ側でも弦ロックするの…?


弦高高くて調整しようと思ったんですが既にサドル目いっぱい下がっています。
トラスロッドかシムで調整案件…。
※ロッド少し弄ったらいい感じになりました。


なかなかしっかりとしたギグバッグです。これが標準付属なのはかなり良いです。
折角のヘッドレスなので、ギグバッグもコンパクトなものがよいですね。
クッションも割としっかりしています。ここにコストかけましたね?
機能について
サウンドデモ
公式動画です。結構ジャキッとした音が出てますね。
私はBIAS FX2で音を出してみましたが、クリーン~激歪みまで、割と行ける感じです。
ノイズは気になります。
一応、軽さが影響しているのか、弦の振動がボディから結構伝わってきます。
エレキギターにおいてはこれが良い効果を生むのかはわかりませんが…
音色の傾向としてはとにかく無機質な音でした。
Yibuy辺りの安PUと交換しても楽しめるかと思います。
電装系


キャビティ内はこんな感じです。
キャビティも歪みあり、木片が残る上から塗装したのでしょう。
ハンダも実に芋々しています。
非常に中華っぽくて逆に安心したまであります。
なんだこのネジ穴のスポンジシートの切れ端は!!島村ァ!!
※裏蓋にスポンジが付いているわけではありません。マジで謎です。
シールディングは当然のように施されていませんでした。
正直音出して予想してました。
コンデンサーも安ギターのいつもの奴(通称クロレッツ)ですね。
同価格帯の中華バーグはオレンジドロップを積んでいるというのに…
アーム


スプリング5本でガチガチです。アームはべた付けされており、ダウンのみ可能です。
チューニングはレギュラー付近になると固くなるのはヘッドレスのお約束なので、テフロンワッシャーを噛ますのはありかもしれませんね。
大変びっくりしましたが、アームは固定できません。クリケット奏法は諦めます。


裏蓋開ける時気づきましたが、ネジ錆びてました。
木片の上から塗装した(ry 島村ァ!!
感想
間違っても初心者が最初に手に取るようなギターではありません。
正直、安い中華ヘッドレスと同じクオリティで、万人にオススメできるものではないと感じました。
ギター改造などが好きな方や、自分で調整できる方が触るのはいいかもしれません。
ギター本体が小さく軽いため取り回しが良く、サッと手に取って練習する用途には割と使えると思います。
とはいえ、しっかり調整しても面白いおもちゃの領域を出ないかな…と思います。
おそらく個体差が激しいギターなので、アタリの個体を引けばそのまま使用できるのかもしれません。
私はおもちゃが好きなので調整して使用しようかと思います。
演奏上イマイチな部分としては、ボディが小さいため座って弾くとズレやすいことでしょうか。
慣れの部分も大きいと思いますので、ここの判断は難しいですね。
まとめ
- 中華ギターらしいクオリティが垣間見える一品…!
- 自分で調整・改造できる人には面白いかも!
この価格で国内大手楽器店のヘッドレスという点では非常に高評価なのですが、如何せん作りが雑ですね…。
とはいえ、チャレンジングな姿勢は素直に評価したいところです。
他メーカーも是非この流れに追従して、選択肢が増えて欲しいですね。
ファンフレット&ピックガード付きのモデル、待っています。