僕の7弦、音がメカっぽいんだけど
(それは演奏が下手だから)
噂によるとEMGピックアップを昇圧すると音変わるらしいぞ!
私が愛用しているLegator Ghost G7FP OverDriveという7弦ギターにはEMG707、708というアクティブピックアップが積まれています。
風の噂によるとEMGピックアップは通常9V電池で駆動しますが、18V・27Vに昇圧して駆動する事が出来るとのこと。
EMG 81&89の18V化改造が有名でしょうか。
(公式が明言しているので、大丈夫でしょう。)
少し改造が必要ですが、レンジが広くなるとか、レスポンスが良くなるとか、音が元気になるとかそういう効果があるらしいです。
さて、こうなってくると工作大好きな犬としては試してみたくなるわけですね。
用意するもの
配線
電池スナップから電池スナップへ配線して、9V電池を直列で繋ぎます。
今回は上図の通り、間に2Wayミニスイッチを挟んで9V18Vを切り替えられるようにしてみます。
18V ON時は橙色の部分に電気が流れ、18V OFF時は青色に電気が流れて2個目の電池をスルーする寸法です。
2つめの電池から枝分かれする配線はしっかり絶縁テープで保護します。
ハンダ付けの素人でもそんなに大変な改造ではありません。


キャビティが狭く、電池2個・ミニスイッチでギリギリになってしまいました。
余裕があればもう1個追加して27Vまで昇圧してみたかったのですが、無理そうですね。
でもこのギチギチ感、嫌いじゃない…すげえノイズ出そうだけど何とかセーフでした。
ボディに穴開けたくないので、ミニスイッチごとキャビティに押し込んでいます。
多分、殆ど切替なんて行いませんし…。
サウンドについて
早速ワクワクしながらテストです。
9Vと18Vの違いを体感してみたい!!
えー…何が変わったんですかこれ…?元気になった…ような…
いや、実機のアンプである程度大きな音を出すとなんか少し元気になった気がします。ん、、、待て。
そもそも音が”元気”ってなんとなく使うけど実際何だ?
音楽業界謎の抽象的表現あるある。ガッツがある音とか、しっとりした音とか。
波形比較
そんなわけで、録音した波形を見てみることにしました。
7弦0F、3弦12F、1弦12Fを9Vでまず鳴らして録音し、ギターに固定したスマホから録音データを流しピックアップを通してDAWに再録音します。
DAW再録音時、ギター側を9Vと18Vで切替えて2回録音して比較します。
単純に2回弾くと力加減で音が変わってしまう事を考慮し、極力機械化しています。
あれぇー!なんだか18V(画像下)の波形が僅かにデカい…!
同じ演奏データを流したんですが!
周波数比較
青が18V、赤が9Vです。Voxengo SPANでトラックを重ねて周波数を比較します。
7弦0F
中音域から上が全体的に大きくなっているようですね。
600Hzより上、200Hzより下が大きくなりました。
3弦12F
全体的に波形が大きくなっていますが、特に高音の差が顕著です。
1弦12F
やはり全体的に波形が大きくなっています。3弦12Fと同じ傾向ですね。
と、三つのポジションで波形を見てみたところ確かに音は微妙な変化が確認できました。
”元気になる”という表現はこのEMGピックアップ18V昇圧改造において、
微弱ながら低音及び高音域が伸びやすくなるという意味なんでしょうね。
確かにほんの少しだけ、キラキラした音色になった気がしないでもありません。
とはいえ変化は微弱で、18Vに昇圧したからといってアクティブ臭さが消えて音が激変するということはありませんでした。EMGっぽいのはそのまま。
特に巻弦に関しては意外と中低域が変わらなかったので、カッティングの歯切れの良さや、中高域のリードサウンドをほんの少しブラッシュアップするには良い改造なのかもしれませんね。
まとめ
- EMGピックアップ18V化は趣味の領域だが、効果はあるにはある!
私の環境では基本的に宅録、アンプシミュレーターの使用がメインなので実機をよく使う方の場合は更に変化がわかりやすいのかもしれません。
また、本改造はピックアップの個体差なども大いに関係すると思われます。
そんなに大変な改造ではないので、興味が湧いたらやってみると面白いと思います。
謎のミニスイッチが増設されるのはちょっとロマンを感じるものがありますよね。