★今回はマウンテン製ヘッドレスギターのレビュー記事です。
ヘッドレスギターが欲しい(2回目)
Strandberg*買おうね(2回目)
高い
前回、国内メーカーでは初となる廉価帯ヘッドレスギターとして島村楽器さんの「Laidback LEG-HL」を弾いてみました。
今回はLEG-HLの直前に入手したギターの紹介です。
正真正銘の中国製激安ノーブランドヘッドレスギター、中華バーグになります。
LEG-HLを入手するために速攻で手放す羽目になりましたが。
島村ンドバーグでは散々な目に遭いましたが、ほぼ同価格帯(むしろちょっと安い)の中華バーグの実力は如何に…?
山ヘッドレス煽らフレットギターとは
訳わからん名前ですが、Aliexpressで「ヘッドレス ギター」等で検索すると出てくるヘッドレスギターです。
マウンテン製ヘッドレスギターファンフレットの意ですね。
中国語の自動翻訳のせいでこんな名前で出てきたりします。
6 string storeというセラーから販売されているもの、かつ、Mountain Guitar/Krait/Zigあたりのブランド名で記載されているものが評価が高いようです。多分同じ製造。
各弦独立型のブリッジを採用していないものはよくない評判も多数聞くのでよりリスキーかと思われます。
Groteってやつは比較的マシとも聞く。
個体により木材、バインディングの有無やPUが異なるのでご注意ください。
今回紹介する個体のスペックは以下です。
Brand : Mountain Guitar
Body : アルダー、ラミネートキルトトップ、イエローバインディング
Neck : ローステッドメイプル、エンデュアーネック、ボルトオン
Flet : 24フレット、マルチスケール25.5インチ、ファンフレット、0フレット
PU : EMG
Bridge : 各弦独立型ブリッジ
Control : 1 Vol 1 Tone 3Wayセレクター
外観について


私が入手した個体はグリーン寄りのカラーです。
ラミネートの杢目が安そうですが、シルエットは本家Strandberg*っぽいです。


ボディ。しっかりとバインディングが施されている点に驚きましたが、端に向かうにつれラミネートトップのクリア層下黒ずみが目立ちます。
製造時からの塗装ミスでしょう。まさに中華。
要所はしっかりコンター加工が施されており、身体にフィットします。
重さは2.8kgでかなり軽いです。


ネック。権利的に非常にアレですがしっかりエンデュアーネックになっていて、演奏性も高いです。薄いネックではありませんが、クラシックでもロックでもどちらのフォームでも弾きやすい印象でした。
地味に0フレットなので開放もキンッとした高音が強い音がします。
3ピースネックで、接着跡が見え隠れしていますがしっかりと研磨されていたので見た目が悪いだけでした。
ロックナット部は初期Strandberg*に準じており、気を付けないと木が割れる構造です。


指板は貼りメイプル指板のようですが、端が面取りされておりフレット共々引っかかりを感じる事はありませんでした。
嘘だろ、丁寧じゃん…。
ジョイント部のヒールカットもされており、ハイフレットが非常に弾きやすいです。


ブリッジは各弦独立型で、LEG-HLと同型のブリッジです(中華製廉価品)
チューニング時は内部の金色筒状パーツもクルクル回転してしまい、ピッチが安定しません。
一回合わせた後は過度なチョーキング等をしなければ安定していました。
コントロール部は特筆すべき事項はありません。
機能について
流石に中華製ノーブランド(?)モデルのためサウンドのデモはありません。
特にアームやコイルタップなど、特筆すべき機能はありませんので電装系のみの紹介です。
電装系


電装系。EMGピックアップ(多分偽物)なのでしっかりアクティブです。
キャビティー内はシールディングが施されていませんでしたが想定の範囲内でしょう。
オレンジドロップが採用されていました。
安物のセラミックコンデンサが採用されていて当然の箇所なので驚きが隠せません。
感想
ギター改造好きが1本ヘッドレスを買った上で手にするならアリ
想像していたよりずっと良いギターでした。
とはいえ性質上、人に勧められるギターではありません。
中華ギターにありがちな「どのフレットを鳴らしても微妙に音痴」とか「作りが荒すぎて弦落ちしまくる」とかのトラブルには一切遭遇しませんでした。
少なくともヘッドレスという構造でちゃんと楽器として成立しています。
個体差かもしれませんが。
音はとにかくハイが出てキンキン煩く、かつ解像度が低くコードに分離感がまるでない、という特徴的なものでした。
これはヘッドレスの構造上とEMG(偽物)のせいだと思われるので、もう少し中低域がしっかりでるPUに交換してあげることで解消するのかもしれません。
YibuyあたりのPUに交換するのは全然ありなのではないかと。
その上でしっかりとシールディングしてあげると一気に化ける可能性もあるのではないかと。


中華ギターという性質上、ギター改造などが好きな方や、自分で調整できる方のみ手にした方がいいです。
最悪工房に調整すら受け付けてもらえない可能性もありますので。
初期状態の弦高はかなりに高かったのですが(3.5mmくらい)0.5mmのシムを挟んであげる事でかなり改善されて弾きやすくなりました。
こういった調整が自分で出来る事が入手においては必須条件になるかと思います。
本家が中国に製造頼んでノウハウ持っていかれたという噂がありますが信じたくなってしまう感じでした。
まとめ
- 中華ギターなのに下手な国内OEMよりクオリティが高かった…。
- 自分で調整・改造できる人にはかなり面白いと思う。
- 色々とアレな品物なのでステージなどで弾くのはオススメしない。
ギグバッグ付きだと4.6万円、おおよそ島村ンドバーグと同じ価格になりますがクオリティは明らかにこちらの方が高かったと感じました。
ここ数年の中華ギターの進歩には驚くばかりです。
余談ですが、これの組み立てキットはさらに安く、2.6万円程で販売されていたりするので塗装技術等をお持ちの方はキットから作るのも良いかもしれませんね。